2011年9月26日月曜日

トノサマバッタ Locusta migratoria

折れた図書館前のアカマツ(解体中だった)
サークル活動で訪れた我が東京農工大学農学部のキャンパスは、台風15号の暴風により悲惨な有様となっていた。図書館前のアカマツの大木は根元付近から折れて道をふさぎ、グラウンド脇のキリの大木は根こそぎ倒れ、グラウンドネットやそれを支える金属のポールを破壊し、掃除のまだ行われていない校内の細道は大量の枝葉で覆われていた。

そんな校内の道路でトノサマバッタを見つけた。
トノサマバッタといえば、バッタ界で群を抜くジャンプ力と飛翔力の持ち主で、網を持たない限りめったに捕まえられないヤツだ、と相場が決まっている(と思う)。しかしこの個体は後肢が一本欠けていたせいか動きが鈍く、かなり近くに寄って撮影したり、3回目着地時に捕獲したりすることができた。
一応「3回目着地時に捕獲」を説明すると、バッタを追いかけると飛び立って少し先に着地する(1回目着地)。そこに近づけば再び飛び立って少し先に着地する(2回目着地)。そしてその次の着地(3回目)の直後に捕まえることができたという意味だ。バッタは着地から次の飛翔までに少し準備が必要らしい。そのため追いかけ続けて距離を縮めれば、いずれは飛翔体制に就く前のバッタに追いつき捕獲することができるのだ。バッタを捕まえたことのある人ならやったことがあるのではないかと思う。ただし、一気に20メートルとか飛んでしまうトノサマバッタにはなかなか通用しない。



正面顔
  

手が写っててすみません





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2011年9月24日土曜日

「田んぼの生き物たち」その7 ミズワラビ Ceratopteris thalictroides

ミズワラビはホウライシダ科(またはミズワラビ科)のシダ植物。除草剤の影響などで数を減らし、全国24都府県で準絶滅危惧~絶滅に指定されている種である。神奈川県でのランクは準絶滅危惧。(日本のレッドデータ検索 より)

「田んぼの生き物たち」で取り上げている水田の中でもミズワラビが自生しているのは今のところ1区画しか確認できていない。その区画内では数多くの自生が見られるから、繁殖力はそれなりにある種のようである。しかし1区画だけでしか見られない、というのはかなり危険なことである。うまくいくかは分からないが、いくつかを別の区画に移して全滅のリスクを減らす必要があるではないかと思った。



今回で、「田んぼの生き物たち」と題した水田に生きる生き物たちの紹介は終わりとします。
一人の農学部所属の大学生として、ミズワラビやトウキョウダルマガエルなどの貴重な種がどうすればこれからも生き続けられるかを考え、またヒレタゴボウなどの外来種がこれからどのように振る舞っていくのかを注目して見ていきたいと思います。


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2011年9月23日金曜日

「田んぼの生き物たち」その6 ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus

野田総理大臣の登場で一躍有名となった(?)ドジョウを見つけた。用水路を覗き込むと途端にわっと水底の泥が舞い上がるから、かなりの数が生息しているのだろう。しかしすぐに泥の中に隠れてしまうことが多かったから写真を撮ることは容易ではなかった。
流れのある3面コンクリート張りの用水路でも、泥さえ溜まっていればドジョウは生きていけるようだ。なかなか強い魚である。しかしかなりの数が死んでいるのも見かけた。何が原因なのかはよく分からなかったが、水量の減少と厳しい残暑で水温が上がりすぎていたのかもしれない。


水田ではちょうど稲刈りの時期で、水がほとんど抜かれている状態だった。そのためくぼんだ所に水がたまり、そこにドジョウやアメリカザリガニが多数群れていた。手持ちのビニール袋で1匹を捕獲し、家に持ち帰った。
普段は泥水の中に姿を隠すために観察する機会の少ないドジョウ。改めて見ると、10本ひげの顔がなかなか可愛らしい魚だと思った。

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2011年9月22日木曜日

「田んぼの生き物たち」その5 ヒレタゴボウ Ludwigia decurrens

ヒレタゴボウ(別名アメリカミズキンバイ)はアカバナ科の一年生草本。熱帯アメリカ原産の帰化植物である。1955年に愛媛県松山市で見出され、現在では関東から九州北部の湿地や水田に見られるそうだ。(日本帰化植物写真図鑑 全国農村教育協会 参照)
群生していたこともあり、遠目からでもその姿が分かるほどに黄色の花が鮮やかであった。


水田において、植物の面々は着実に変わりつつあるようだ。特集している田んぼにおいて、ヒレタゴボウは今回初めて見つけたものだ。(多分少し前からあったのだと思うが、僕の目が悪かったか数が少なかったのだと思う)
他にもアメリカアゼナ(ゴマノハグサ科)、アメリカセンダングサ(キク科)などの帰化植物が多く見られた。一方で在来種には減少傾向のものが多く見られる。例えばアメリカセンダングサに近縁のタウコギは平野部ではかなり減少しているし、ヒレタゴボウに近縁のミズキンバイは絶滅危惧Ⅱ類に指定される希少種となっている。帰化種と在来種との間に繁殖力の差があるのだろうか。帰化種が増えているのと在来種が減っているのとに直接の関係はあるのだろうか。よく分からない。


アメリカアゼナ Lindernia dubia
話が複雑になってしまうが、水田雑草の多くは、図鑑上では在来種とされていても、実際は弥生時代などに稲作が持ち込まれるのに伴い日本に侵入した「史前帰化植物」であるとされている。水田雑草に限らず、ナズナ(ペンペン草)やエノコログサ(ネコジャラシ)などいわゆる雑草の多くは同様に考えられている。もちろん帰化なのか、在来なのかを直接確かめることはできないが、人里ではよく見られるのに山奥に入るとほとんど見られなくなる種は、大昔に日本に渡ってきたのではないかと考えられているのだ。
そうすると、近年に新しい帰化植物が入ってきているのも、人やモノの移動がある限り「仕方のない」自然なことなのだろうか。そうではないと思うのだが・・・
とりあえず、身近な植生に少しずつ変化が生じていることは間違いない。

考えをまとめてから帰化植物問題については再び取り上げるかもしれません。今記事はとりあえずここまでとします。


特徴的なヒレタゴボウの実









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「田んぼの生き物たち」その4 アマガエル Hyla japonica

顔にゴミがついてるよ
水田内の植物を観察していたら、アマガエルとご対面した。
アマガエルは小さな水辺さえあれば大抵見ることのできるカエルである。個体数が減少し、絶滅危惧種に指定されているトウキョウダルマガエルとは対照的である。この2種の違いについて少し考えてみたい。
アマガエルはオタマジャクシの時期を除いて、樹上や草原で生活するなどあまり水に依存しないカエルである。一方でダルマガエルは一生を通して水に富んだ場所で生活をする。そのためアマガエルは、トウキョウダルマガエルに比べて、近年行われている水田の乾田化の影響を受けにくいのではないだろうか。またアマガエルは足に吸盤を持ち、三面コンクリ張りの用水路のように垂直の壁にも対応ができると考えられる。他にもアマガエルの方が小さくて食べ物を多く必要としないから小さな田んぼでも生きていけることや、オタマジャクシの期間が短く、田植え1カ月後に水田から水を抜く中干しの影響を受けにくいことなどが考えられると思う。
このようないくつかの要因が重なって、アマガエルとトウキョウダルマガエルの個体数に差が出ているのではないだろうか。

これは僕の推察です。アマガエルの生態をよく知っているわけではないので間違いもあるかと思います。ご意見・感想をいただけるとありがたいです。

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2011年9月19日月曜日

「田んぼの生き物たち」その3 オモダカ

オモダカはオモダカ科の多年生草本。水田雑草の代表的なものである。もちろん地域によるだろうが、恐らく水田においてよく見られる植物のトップ3に入るのではないかと思う。

このオモダカ、実は正月などに食べられる慈姑(クワイ)の原種とされている。僕はオモダカの塊茎の実物を見たことがないが、図鑑に載っている写真を見ると、確かに慈姑と同じ形をしていた。
他にも水田における重要な雑草のひとつのイヌビエは、雑穀のひとつ、稗(ヒエ)の原種であるとされている。水田の雑草たちはイネの成長を妨げる厄介者であると同時に、ヒトの食料としての役割も果たしてきたというわけである。(ただしイヌビエにはいくつかの種類があり、水田に生える種が作物のヒエになったのかは、僕には分からない)

ケイヌビエ
ちょっと話はそれるが、麦の一種のライ麦やエン麦は、元々麦畑の雑草だったそうだ。これらは田畑の雑草から作物へと昇格したのである。雑草は作物の成長を阻害するが、一方でそれ自体に有用性を持っている可能性がある。雑草をただの邪魔者としてでなく、多面的な面から見るのも面白いのではないかと思う。

話をオモダカに戻す。オモダカは水田の重要な雑草であったと同時に、可憐な花や矢じり型の独特な葉っぱが人々に親しまれてきたらしい。その最たる例が家紋であると思う。沢瀉(オモダカ)は、日本十大紋とされるほど広く用いられているそうだ。ちなみに我が家の家紋はオモダカの葉っぱ2枚が花を包み込んだ形の「抱き沢瀉(オモダカ)」である。(オモダカが家紋に使われる理由については、「家紋の湊などを参考にしていただくとよいでしょう。)

増えすぎては困るが、いなくなっても悲しい。そんな植物だと思う。もっとも、多くの農家の方々は除草剤などでせん滅したいと思っているのかもしれないが。

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「田んぼの生き物たち」その2 トウキョウダルマガエル

トウキョウダルマガエルは関東以北の各地に生息する中型のカエルである。有名なトノサマガエルと非常によく似ているが、トノサマガエルは神奈川県内では西部の一部までしか分布しないこと、体の細部の特徴から今回見つけたのはトウキョウダルマガエルであると思う。
特に多くの個体が見られたのが、幅の広く流れの緩やかな住宅地に面した用水路。三面コンクリ張りで一見生き物たちの生息には適さないように見えたが、底に泥がたまり、草も周りから覆いかぶさっていて、比較的環境は良好なのかもしれない。その用水路ではドジョウも数多く見られた。足に吸盤を持たないトウキョウダルマガエルはコンクリ張りをよじ登れないとされるが、その用水路はだいぶ古く、コンクリの壁に無数の凹凸ができていたのでよじ登ることができるのかもしれない。周りの水田内にも姿が確認できた。

かつて関東などの水田で当たり前のように見られたというトウキョウダルマガエルは個体数を大幅に減らし、現在では環境省のレッドデータで準絶滅危惧に指定されている。神奈川県に限るともう一ランク上の絶滅危惧Ⅱ類だ。(詳細は日本のレッドデータ検索システムで確認してみてください)
近縁でやはり個体数の減少が著しいトノサマガエルの場合、農薬の影響もあるがそれ以上に大きく影響しているのが稲作時以外は水田から水が消える乾田化や、冬期の農地の掘り起こし、そしてイネ生育途中に行われる中干しであるという。乾田化は湿地を好む両生類のカエルにとって好ましくない環境を作るものであり、冬期の農地の掘り起こしは冬眠中のカエルにダメージを与え、中干しは成長途中のオタマジャクシに致命的なダメージを与えるとのことだ。(今、絶滅の恐れがある水辺の生き物たち 山と渓谷社 参照)トウキョウダルマガエルも似たような原因によって数を減らしているのかもしれない。
今回は多数の個体に会うことができ、ひとまず安心した。しかし今後圃場整備が行われ、突然住処を奪われることがないともいえない。注意しながら見守っていきたい。

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2011年9月18日日曜日

「田んぼの生き物たち」その1 コバネイナゴ Oxya japonica

コバネイナゴを見つけた。
イナゴは漢字で稲子、または蝗と書く。水田の昆虫の代表選手、といったところか。
農薬の影響で一時は激減したが、近年農薬の規制に伴って再び数を増やしつつあるそうだ。

イナゴといえば佃煮である(と思う)。僕は先日長野に旅行に行った土産にイナゴの佃煮を買ってきた。長野ではハチの子やざざ虫など他にも昆虫食品が売られているが、どちらも1000円を越える高級品だ。イナゴの佃煮のみが500円前後とお求めやすい値段である。味の方はエビとは少し異なる独特の味だがなかなか美味しい。しかしカラが少し硬くて口に残り、たくさん食べられるものではないと思った。



イネの葉っぱを食べるイナゴは言うまでもなく水田の害虫である。一方で海から遠く、魚介をなかなか手に入れられない内陸においては貴重なタンパク源となってきたのも事実である。イナゴに限らずフナやゲンゴロウなどの水田の生き物たちは広く食べられてきた。
水田は稲作のためだけのものだ、という考えに基づけばイナゴはただの害虫である。しかし貴重なタンパク源として食べられてきたイナゴは有用昆虫だ、という考えもできる。イナゴは害虫か、それとも有用昆虫か。どちらにふさわしいか結論付けることはできないと思う。益虫といわれるカマキリだって、実はテントウムシを食べることでアブラムシの増殖を助けているのかもしれない。様々な顔を持つ自然界の生物を、人間の価値観で白黒はっきりさせよう、ということ自体が無理なことだと思う。


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シリーズ 「田んぼの生き物たち」

我が家から自転車で15分ほどのところに小規模ながら水田が広がっています。写真からも分かる通り住宅地がすぐ近くまで迫っています。訪れた9月18日には稲刈りが始まっていました。
この水田では神奈川県内で絶滅危惧種に指定されている生物種がかなり見られます。小規模なため、むしろ大規模な稲作地域よりも圃場整備による極端な乾田化、農薬・除草剤散布などがあまり行われておらず、生物たちが暮らしていける環境が保たれているのかもしれません。
水田は日本人の主食のコメを作る場所であるとともに、水辺環境を好む生物たちの住処となり、その背後に存在する雑木林などと共にいわゆる「里山」環境を形成し、豊かな生態系を育んできました。ところが、近年の稲の生産効率をあげるために圃場整備などが行われ、水田の環境が大きく変化し、かつてはごく身近に見られた生物たちが急速に姿を消しているといわれています。タガメやゲンゴロウに代表される彼らの中には、絶滅危惧種に指定されているものが少なくありません。また帰化植物の侵入など顔ぶれにも変化が見られるようです。

数回に渡り、今回水田で出会った動植物についての記事をシリーズとして書いてみようと思います。


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2011年9月9日金曜日

エサキモンキツノカメムシ Sastragala esakii

高尾山を友達と登っている途中で、エサキモンキツノカメムシを見つけた。何といっても背中にハート形の模様があることが特徴である。
このカメムシ、やたら長い名前で覚えにくい。僕は最近まで「エサモンキツノ~」だと思っていたし、友達では「エサキモンツノ~」と言っていた人も。
ということで名前を説明したいと思う。
「エサキ」は昆虫学者の江崎悌三さん(1899~1957)にちなむ。命名者の長谷川仁さんが、偉大な昆虫学者であった江崎さんを記念し、また江崎さんがツノカメムシ類が好きだったことから名付けたそうだ。(参考 ゲッチョ昆虫記 盛口満 著 どうぶつ社)「モンキ」は背中の黄色いハートマークの紋のことを指し、「ツノカメムシ」は胸から角が左右に突き出すのが特徴のツノカメムシ科の昆虫であることを指す。


2009年9月 生物部の顕微鏡ごしに撮影
高校の時、生物部でこのカメムシを捕まえ、顕微鏡などで観察したことがある。しばらくしてなにやら甘い良い香りがしてきた。どうやらエサキモンキから発せられているようだった。エサキモンキを入れていたビンからも同じ香りがした。友達と、「エサキモンキは見た目も臭いもいい素晴らしいカメムシだ!」と感激していた。
しかし、後日ネットで検索してもどこにも良い香りがするとは書いておらず、いくつかに「他のカメムシ同様くさい」と書いてあっただけだった。
その後、その友達と再びエサキモンキを捕まえた。今度はしっかりとくさい臭いを発した。残念ながら、エサキモンキもやっぱりカメムシであった。高校の時は、単にビンに香りがついていただけなのかもしれない。でも、時期や性別によっては良い香りを出すこともあるのでは、という期待をまだ捨てきれずにいるのだ。

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シロカネイソウロウグモ

高尾山口駅近くにてオニグモの仲間らしきクモの網を見つけた。オニグモの仲間は夜行性のことが多く、昼間クモ自身は網の近くの物陰で潜んでいる。見つけた網でも主は隠れていたらしく、もぬけの殻となっていた。

網の主を探しているとき、網に小さなクモがついていることに気がついた。銀色で三角形にとがった独特の胴体を持つ、シロカネイソウロウグモである。
シロカネイソウロウグモは名前の通り、別のクモの網に居候する。「校庭のクモ・ダニ・アブラムシ (全国農村教育協会)」によれば、オニグモやジョロウグモなどの網に多くみられるそうだ。網の主が食べないような小さな虫や、食べ残しをえさにしているらしい。
不鮮明ながら小さなクモも写っている。
シロカネイソウロウグモの幼生は風に乗ってクモの網にやってくるのだろうか。それとも歩き回って探すのだろうか。図鑑に載っていないので分からないが、何かしらの方法でクモの網へと到着するのだろう。
普通のクモは自分で網を張る。労力はかかるが、網に虫さえかかれば一人で生きていくことができる。一方でイソウロウグモは一見楽な生活をしているようだが、他のクモの網がなければ生きていけないというのは、なかなかに大変なことなのではないだろうか、と思う。
まあジョロウグモやオニグモの仲間はどこにでもたくさん生息しているから、あまり問題はないのかもしれない。

今回見つけた網には5匹ほどが見られた。どれも銀白色をしていたが、一番大きなものを除いて胴体が丸っこく、あまりとがっていなかった。オスなのか、それとも幼生なのか、はたまた別種なのか。どなたか知っている方はいらっしゃいますか。

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2011年9月8日木曜日

ツクツクボウシ Meimura opalifera

大学内の梅の木にツクツクボウシが止まっていた。
ツクツクボウシはセミの中でもかなり敏感な種だと思っていたが、今回見つけた個体は僕がすぐ近くまで近づいても全く逃げず、しまいには「オーシ ツクツクツク・・」と鳴き始めた。もし近づいてきたのが僕じゃなくて鳥だったとしたら、とっくに食われてしまっていただろう。彼はこの先うまくやっていけるのだろうか。


正面写真。
ツクツクボウシは秋のセミという印象を持つ人が多いと思う。確かに8月の下旬に入ってから特に鳴き声が目立つようになってきたと思う。しかし、今年大学ではじめて鳴き声を確認した日、つまり初鳴日は7月25日で、発生開始に関しては他のセミに対して特別に遅いわけではないようだ。(アブラゼミの投稿でも紹介)
また、僕が住む藤沢で一番遅い時期まで鳴いているのはアブラゼミのことが多く、アブラゼミもある意味秋のセミと言えるのではと思っている。でもやっぱり夏からずっと目立ち続けているアブラゼミよりも、秋になって目立つようになるツクツクボウシの方が秋のセミの代表かなとは思う。
ちなみにヒグラシが秋のセミのイメージという人も多い。そもそもヒグラシは秋の季語になっているそうだ。確かにこの時期でも鳴いているし、何だか秋っぽい哀愁を帯びた鳴き声だが、実際のところはニイニイゼミに次ぐ発生の早いセミであり、むしろ夏の訪れを告げるセミといってもよいのではないかと思う。

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2011年9月4日日曜日

マイヅルソウ

マイヅルソウはユリ科の多年生草本。花期は5~7月ということで、8月下旬の栂池や白馬乗鞍では既にまだら模様の実をつけていた。完熟すると美しい赤色になるそうだ。あちらこちらの樹林下で群生していたから、赤い実をつければ薄暗い林床で目立つ存在になるのだろう。
ところで、栂池自然園内には園内地図にも載っている風穴がある。風穴には夏まで残雪が見られるそうだ。僕が訪れた時には既に雪はなかったが、手を近づけると弱い冷風を感じた。
その風穴近くでマイヅルソウが開花していた。残雪や冷風の影響で他の場所より成長が遅れていたのだろう。
付近では他にもコガネイチゴやヒオウギアヤメなど、花期が7月までとされている花々が花を咲かせていた。風穴の周りだけ季節の流れから取り残されていたようで、不思議な雰囲気であった。






コガネイチゴ(バラ科)
ヒオウギアヤメ(アヤメ科)

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